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  • 伦理片
    <p>鶴田栗之助は、風葉と号して小説を書くかたわら、友人、村木の妹?常子に英語を教えていた。広い邸内に住む兄妹は両親もなく、彼を家族同然にもてなした。その頃村木は胸を患っていたが、浅草の「千鳥」という飲み屋の酌婦お照と実懇の仲になっていた。ある雨の夜鶴田はとある家の中へ招じ入れられた。狐に化かされたような気になっていると、美人が酒肴を持って現われた。女はこの家の主婦君子で、夫が日霧戦争に出征中の軍人で、永い間の孤閨に耐えられず知り合いの若い男を相手にしていたのだが、今夜は目の悪い乳母が間違えて鶴田を招き入れてしまったのだった。事情を察した鶴田は強引に君子に迫るが、彼女の股間には貞操帯がはめられていた。だが諦めた君子は貞操帯の鍵を彼に渡した。鶴田と常子にはすでに肉体関係があり、村木もその事は気づいているようだった。そんなある日、お照を抱いていた村木が喀血した...</p>
  • 伦理片
    <p>徳川八代将軍?吉宗の時代。ある日、大奥お年寄?藤尾宛へ、紋之助という役者の入ったつづらが届けられた。早速大目付?矢野伝八郎の取調べが始まり、藤尾には身の覚えがないことであるが、御用屋敷にお預け、藤尾に仕えるおこうは江戸城追放の処分となった。そして藤尾の後任には竹川が抜擢され、竹川は自分の下で働くお静に吉宗の伽を勤めさすようにした。一方、藤尾の下にいたおるいとおせちは、この度の一件で誰が藤尾を陥し入れようと計ったのか突きとめようと苦心していた。数日後、おこうが大奥の入口を警護する成島伊助から紋之助の相手をしていたのは「左の内股に大きなほくろのある女中」ということを聞き出した。その情報はおるいとおせへ早速知らせた。ある日、諸国大名より献上の美女くらべが行われ、その中で吉宗は金髪娘サリーを大そう気に入り、毎晩のように可愛いがった。ところがサリーの世話役をし...</p>